日本の米農家さんをインタビュー

嘉六
平野さん

創業200年、魚沼のお米を美味しく育てるには、

やっぱり“水”が大事

創業200年、魚沼のお米を

美味しく育てるには、

やっぱり“水”が大事

創業200年、

魚沼のお米を美味しく

育てるには、

やっぱり“水”が大事

たけやま 伊藤さん
いとうたかよしさん

プロフィール

PROFILE

農家名

嘉六

平野 宗隆(ひらの むねたか)さん

所在地

新潟県十日町市

200年以上続く米農家「嘉六」の八代目。幼い頃から畑仕事を手伝い、自然と農業に親しんできた。農業が好きで、家業の道へ。現在は七代目の会長と二人三脚で米作りを担っている。「清潔で整った環境」で育てることを徹底し、水質管理にも丁寧に気を配る。お米は人の口に入るものだからこそ、美味しさはもちろん、安全にもこだわりたいと、日々の作業ひとつひとつ誠実に向き合っている。

取り扱っているお米の品種

VARIETY
コシヒカリ
こしいぶき
ゆきん子舞

インタビュー

INTERVIEW

歩み01

1800年代“食べるために”
作りはじめたお米が今、
多くの食卓へ

ー200年続く米作り、その歩みを教えてください

嘉六の歴史は天保の時代にさかのぼります。騒乱と飢えが続く時代、「食べるために米作りを始めた」と伝えられています。五代目からは精米業にも取り組み、少しずつ基盤を築いてきました。そして、売上が限られる田舎から一歩踏み出し、六代目の代には首都圏へと販路を拡大して、飲食店や中食業者(食品を製造・販売する事業者)、一般家庭にもお米を販売するようになりました。もともとは手作業だったところから現会長である七代目の代には、精米機や色彩選別機の導入など設備を強化。現在は自社田んぼでの生産に加え、地域のお米も仕入れながら、多くの人に美味しいお米を届けています。

伊藤さん

歩み02

全国から愛される味。
新潟・魚沼が誇るブランド米

ー育てているお米の品種を教えてください

私たちが主に手がけるのは「魚沼産コシヒカリ」です。私たちは、魚沼産コシヒカリを魚沼の宝物として、地域の農家と共に生産しています。“新潟といえば魚沼産”というほどブランドとして確立されており、全国的にも高い評価を受けています。そして、何より美味しい。この土地だからこそ、本来の持ち味が最大限に発揮されると思っています。地域全体でも栽培が盛んで、苗や種籾の供給が安定しているため、安心して長く作り続けられる点も大きな理由です。また「こしいぶき」も扱いますが、こちらは自社栽培ではなく仕入れによるもの。コシヒカリの血統を受け継ぐ新潟生まれのお米でありながら、粒が硬く欠けにくい、価格が抑えられるのが魅力です。魚沼産コシヒカリとあわせて、幅広いニーズに応えられるようにしています。

精米と管理
米袋 稲穂

こだわり01

魚沼産コシヒカリは、
“清らかな水”を
丁寧に管理するから美味しい

ー「魚沼産コシヒカリ」の米作りのこだわりはなんですか

魚沼は山々に囲まれ、雪解け水や清流が田んぼを潤す米作りに非常に恵まれた土地で、昼夜の寒暖差が大きく、水温も低いです。そのため、力強い稲が育ち、それが魚沼産コシヒカリ特有の甘みや粘りの源となっています。私たちは、その恵みを最大限に生かすため、田んぼごとに設けた給水口を1日数回見回り、水の状態を細かく管理しています。ここまで丁寧に行う農家は多くありません。1枚(約1,000㎡)ごとに1つ、全部で8枚を毎日1人で巡るのは大変ですが、稲が熱を持たず健やかに育ち、姿も美しく整います。昔から「鉛筆で描いたような稲は健康に育ち、粒がそろった証拠。美味しいお米につながる理想の姿」と言われますが、うちの稲もまさにその姿です。

こだわり02

毎日、田んぼと対話することで
見極める収穫時期
稲は足音を聴いて育つ

ーお米の品質を守るために工夫していることはありますか

稲刈りは9月中旬より、自社所有のコンバインで刈り取りします。気候によっては収穫時期がずれ込み、近年は猛暑や雨量不足によって前倒しで刈り取ることもあります。また突然の豪雨で稲が倒れることもあります。その際はすぐに収穫に踏み切り、品質を守ってきました。魚沼は雪解け水に恵まれ、昼夜の寒暖差と涼しい気候が美味しいお米を育てる一方で、山からの風や急な雨、朝霧など、天候の変化が激しい地域。だからこそ、その日の気温や水の状態を見極めながら、最も良い収穫のタイミングを判断します。米農家にとって稲刈りの時期を調整するのは日常の作業ですが、私たちは1枚ごとの田んぼの状態を丁寧に観察することで、柔軟に対応しています。その後、自社で収穫されたお米や契約農家から仕入れたお米を自社数名の農産物検査員の厳しい目により、品質の見極めを行っております。収穫後の精米においても、品種ごとに異なるお米の硬さに合わせ、音や感覚を頼りに削り方を微調整しています。

稲穂

豆知識01

米ぬかは、お米を美味しくし、
米油としても活用される

ー米作りで出る副産物「米ぬか」の活用例を教えてください

米ぬかは油分を含み、田んぼに撒くと土が発酵して微生物が活発になります。その結果、土が肥え、稲の育ちが良くなり、品質の向上につながります。また、鮮度の高い米ぬかをボーソー油脂さんに引き取っていただき、米油の原料として有効活用しています。米ぬかは、田んぼに戻すことも、別の形で活かすこともできる。工夫次第で価値を高められる、とても経済的な素材だと考えています。

稲穂
米袋 稲穂

豆知識02

コシヒカリは
優しく研ぐのがポイント

ー「魚沼産コシヒカリ」をより美味しく楽しむためのコツはありますか

コシヒカリは粒が柔らかいため、強く研ぐと割れて味が落ちてしまいます。研ぐときは力を入れず、指先でやさしくかき混ぜる程度で数回水を替えるだけで十分。これで粒が崩れず、ふっくらと炊き上がります。美味しさをシンプルに味わうなら、まずは塩むすび。漬物と味噌汁を添えるだけで、お米本来の甘みが一層引き立ちます。さらに、個人的に好きなのは和牛のステーキとの組み合わせ。濃厚な旨みとふっくらごはんの相性は抜群です。

目標

田んぼの小さな変化に気づき、
よりよい米作りへ

ー今後の目標について教えてください

より美味しいお米を作るために大切なのは、日々の小さな積み重ねだと思っています。同じことを繰り返せば作業は自然と上達しますが、それだけでは不十分。田んぼの小さな変化に気づけるかどうか。毎年の稲の出来をどれだけ注意深く見られるか。そこから得た気づきを積み重ねていくことで、もっと良い状態に近づけると思っています。見過ごしがちなことですが、毎日“細かいことに意識を向けデータを蓄積する”。その姿勢を目標に、米作りと向き合っていきたいと思います。

伊藤さん

私たちの米作りに対する想いは、「一作農魂」。「一作農魂」とは自然との闘いに打ち勝つということであり、虫、病気などの天災に勝ち、稲との対話に気を抜かず己に打ち克つことが美味しい米作りの基本と考え、私たちの胸に秘めています。

伊藤さん

※掲載内容は取材当時の情報です

株式会社たけやま